第5章 誕生日 10/30ver.《氷室辰也》
彼女をベッドへ優しく下ろし、自分の上半身の服を勢いよく脱ぎ捨て、彼女へ覆い被さった。
「待っ、て……、氷室君」
「さっきも言っただろう?もう待てない」
「っ、だってシャワーとか浴びてない、し」
「必要ないよ」
「ぁ……っ!」
彼女の首筋へ顔を埋めて、痕がつかない程度に軽く吸い付けば、ピクンと小さく肩を揺らせた。
顔を上げ真由美の顔を見ると、これからの行為に怯えてるような期待してるような、何ともいえない複雑な表情だった。
もう一度深いキスを落としながら、彼女の衣服を一枚一枚丁寧に剥いでいく。
そして、背中とシーツの間に手を滑り込ませ、パチンとブラのホックを外すと、彼女は手を胸の方へ移動させた。
「ダメ、隠さないで?」
俺は彼女の両手首をソッと握ると、ゆっくりと体から離させた。
衣服を纏っているときは華奢だと思っていたその体は意外と肉付きがよく、とても女性らしい魅力的なスタイルだ。
「綺麗だね、真由美」
「……ぁんまり、見ないで……っ」
恥ずかしさからか、自分の手で顔を覆ってしまう真由美。
「それは無理なお願いかな」
「氷室く、……あっ」
「こんな綺麗な体、見惚れない方がおかしい」
「っあ、や…ぁっ」
胸の膨らみをやわやわと揉むと真由美の吐息混じりの甘い声が漏れる。
初めて聞く彼女の嬌声に俺の興奮はどんどん昂ぶっていった。