第4章 誕生日 10/23ver.《伊月俊》
後処理を済ませた俺は真由美に腕枕をして、情事後の余韻に浸っていた。
初めての女の子は血が出るらしいが真由美はかなり少量だけで、下腹の痛みもそんなにないと言っていたから、とりあえずは一安心だ。
それにしても、好きな人と一つなるって、本当に幸せなことなんだなぁ…と実感する。
初めてで余裕のない俺に、安心させるように何度も微笑んでくれた真由美が本当に愛しくてたまらない。
「俺、プレゼント貰い過ぎじゃないか…?」
真由美からのお祝いの言葉、料理、プレゼント、そして真由美の“初めて”。
どれも嬉しくて、俺が幸せになるものばかりだ。
「私は俊君にあげられるのものなら、全部あげたいよ?それに……」
〝お返し、楽しみにしてるから〟と、真由美は悪戯っ子のような笑みを浮かべて言う。
「ははっ、真由美の誕生日は盛大に祝ってやるな!」
「ううん、そうじゃなくて…」
真由美は俺の首元へ顔を埋める。
それから、
「お返しは“WC優勝”しか受け付けないから」
と言って、二カッと笑った。
(あぁ、本当に真由美のこと好きになって良かった)
こんなに俺のことを分かってくれて、支えてくれる子は、絶対他にいない。
「あぁ、約束する」
「うんっ!」
俺は〝一生離さない〟と言わんばかりに、真由美の体を強く抱き締めた。
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