第4章 誕生日 10/23ver.《伊月俊》
_______After that
「なぁ、伊月〜。お前、最近相原とどーなんだ?WC間近で部活もほとんど休みねーし、あんま会えてないんじゃねーの?」
昼休み、2年のバスケ部メンバーで昼ご飯を食べていると、日向が唐突にそんなことを聞いてきた。
確かに、俺達誠凛バスケ部は見事予選を勝ち抜いて本戦に進むことができ、前よりも更に練習時間が長くなっていた。
真由美とゆっくり過ごしたのだって、俺の誕生日を祝ってくれたあの日が最後だ。
「何だ、日向〜。心配してくれてるのか?」
「日向はこう見えて心配性だからな!」
「木吉は黙ってろ!あと俺は別に心配性なんかじゃねぇ!」
日向は木吉の背中を軽く殴る。
「ツッチーもあんま会えてないんでなーい?」
「そうだけど、俺達は大丈夫だよ」
「フゥ〜♪ リア充は言うことが違いますなぁ!」
コガの茶化しに土田は頬をぽりぽりと掻きながら照れ、水戸部は微笑ましそうにコクコクと頷く。
「俺と真由美だって大丈夫だ。なぜなら…」
「なぜなら…?」
「相変わらず、俺の“愛変わらず”だからだ!キタコレ!!」
「……。」
「伊月、そーゆーのマジウザい。聞いた俺が間違いだったわ。つか、リア充死ね」
「えっ、死…!?」
俺の渾身のダジャレはいつものように日向に無下にされたけど、今回のデキは自分ではなかなかだと思う。
「今度、真由美本人に聞いてもらわねば」
「伊月、マジ黙れ」
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