第4章 誕生日 10/23ver.《伊月俊》
カレーを食べ終わった後に、真由美はデザートとして俺の好物のコーヒーゼリーを用意してくれていた。
これも手作りらしい。
「充分、手の込んだもの作れてるじゃないか!」
「ゼリーも結構簡単なんだよ?でも、良かったぁ。俊君の好きな食べ物がコーヒーゼリーで。それなら、私も作れるから!」
えへへ、と笑う真由美を見て、心の中がポカポカと暖かくなっていく。
「ゼリーが誕生日ケーキの代わりなんだけど…、良い?」
申し訳なさそうに言ってくる真由美に、俺は即答で「当たり前だろ!寧ろ嬉しい」と返した。
***
食事を終えた俺は真由美に案内されるまま、彼女の部屋に来ていた。
真由美の部屋に入るのは初めてではないけど、そんなに回数来たこともないし、やっぱり緊張する訳で。
俺の部屋とは違う、白を基調とした家具とか、ピンク色の小物とか…。
やっぱり女の子の部屋だな、と思う。
「俊君…?」
「あ、あぁ、何?」
「ううん、何か固まってたから…」
「いや、真由美の部屋来るの久しぶりだし、ちょっと緊張しちゃって」
「ココ、座って?」
既にベッドに座っている真由美が、隣をポンポンと軽く叩く。
(ソコに座るとさらに緊張しそうなんだけど…)
そう思いながらも、俺は彼女の隣に腰掛けた。