第3章 誕生日 10/9ver.《紫原敦》
「ん、美味し。さすがまゆちんが作ったケーキなだけある〜」
私が呆気に取られている間も、あっ君はパクパクとケーキを食べていき、いつ間にか私の身体の上に散らばるケーキの欠片は全てあっ君に食べられてしまった。
「ふぅ、美味しかったぁ〜」
「あっ君、ありがと……っ」
落としたケーキにも関わらず食べてくれた彼の優しさに胸がいっぱいになる。
「ん〜、でもまだ足りないかも〜」
「え?」
「次はコッチ」
あっ君はそう言うと、私のクリームだらけの手を取り丁寧に舐めとる。
「っ…、あっ君くすぐったい、ょ…」
「ん〜……、」
「……っ、…ん」
くすぐったさと一緒に感じるわずかな気持ち良さに、思わずくぐもった声が漏れる。
「指舐めてるだけなのに気持ち良いの?まゆちん」
「違っ…、くすぐったいだけ…っ」
「ふーん。そうなんだ」
あっ君はチラリと私を見て、納得のいってないような不満そうな表情を浮かべる。
「じゃあ、他のところも舐めてあげる」
「えっ!?」
「だって、まゆちんの身体クリーム塗れで旨そうだし」
「なっ、何言って…!」
「せっかく作ってくれたんだもん、全部食べてあげなきゃ勿体無いでしょ〜?」
そう言ってあっ君は私を床に押し倒した。