第9章 誕生日 11/11ver.《宮地清志》
「はぁ…?アンタ何言ってんの?頭大丈夫?」
「おー。寧ろ絶好調」
「いやいやいやいや、自分が何言ったか分かってる?!」
「……だから、誕生日プレゼントにお前頂戴って言ってんの。……あー、くそッ。こんな恥ずいこと2回も言わせんじゃねぇよ、ボケッ!!」
「……。」
だんだんと赤くなる清志の顔。
これはもしかして〝誕生日プレゼントにお前が欲しい〟とかっていう、ラブストーリーのテンプレみたいなシチュエーションなの?
あの清志が、こんな臭いセリフ言ってんの?
ビックリを通り越して笑ってしまう。
「おいっ、テメェ何笑ってやがる!!」
「あははっ、ごめん!清志がそんな臭いセリフ言うとは思ってなかったから」
「……轢く。お前はぜってー轢く。軽トラで3回轢いて、んで埋める」
「あー、面白かった!清志にしては面白いギャグだった」
ひとしきり笑って涙が出てきたのを指で掬うと、目の前にある清志の顔が引きつっていた。
「おい、お前は冗談だと思ってんのか?」
「え、違うの?」
「………今日ほどお前を殴りてぇと思ったことねーわ」