第2章 災難《黄瀬涼太》
「は?!何言っ、……っんん!?」
返事する間も与えられず、私の口は黄瀬君の唇で塞がれいた。
「んっ…、黄瀬く、待っ」
キスの合間に口を開けば、ここぞとばかりに滑り込んでくる黄瀬君の舌。
「ふっ…、んんっ」
逃げても逃げても絡みつき、歯列をなぞられ、唾液ごともってくように舌に吸い付いてくる。
ひたすら口内を犯されているような感覚。
「んっ、……はぁっ」
やっと解放してくれたと、酸欠で肩で息をしていると、黄瀬君は下から満足そうに私を見上げた。
「良いっスね、その顔」
黄瀬君がそう言うやいなや、視界がグルンと反転し今度は黄瀬君が私に覆い被さっていた。
「すげぇソソる…」
「っ…!」
再度私の耳元で甘く囁くその声に、体が勝手に熱を帯び始める。
(このままじゃ…っ)
今日初めて会った年下の男の子と体を重ねることになってしまう。
そんなの駄目だと必死で自分に言い聞かすも、私の心と体はもう既に彼を求めていて……。
「黄瀬君…っ」
両手を伸ばし彼の首へ絡める。
「慰めて、くれるの……?」
私がそう言うと、黄瀬君は一瞬複雑そうな表情浮かべ、すぐに「任せて下さい」と笑った。