第2章 #1 特別研修医
紫音と別れ、望愛は自分の教室に入った。するとひなのが待っていたかの様に望愛の元へ寄ってきた。
「望愛ちゃん、おはよう!」
「おはよう、ひなのちゃん」
ひなのは、望愛に気になっていた質問をした。
「ねぇねぇ、昨日の女の人その後どうなったの?」
「熱中症以外に疾患は見当たらなくて、今日の夕方頃には退院出来るみたい」
「良かったね!望愛ちゃんすっかり有名人だよ!頭は良いし、可愛いし、優しくて、本当に白衣の天使みたいっ!」
「白衣の天使って…。私、白衣着てないよ?笑」
望愛のつっこみも気にせず、ひなのは望愛をずっと眺めていた。
「全員、席につけ〜。ホームルーム始めるぞ」
担任が教室に来ると、ひなのは慌てて自分の席に戻った。
「…今日の連絡はこれで以上だ。神瀬!」
「は、はい」
「放課後、職員室まで来るように。皆、今日から1週間集中して過ごすように!」
担任は、望愛に連絡を伝えて、教室を出て行った。
すると、ひなのが再び望愛の元に来た。
「絶対昨日の件よ!もしかしたら感謝状とか貰えるんじゃない?」
「そんな凄い事してないよ。きっとプリントか何かを貰いに行くだけだって」
望愛は、1日をいつもと同じ様に過ごして、放課後を迎えた。