第2章 #1 特別研修医
翌日、2人は校長に承諾書を提出し、まず8月から約3ヶ月間研修する事になった。その後の研修ももちろん継続は可能だが、あくまでも最長1年間を目処に。との事だった。
そして、迎えた初研修の日。
「緊張するね…」
「ああ」
2人は今、陽南大学附属病院の正面玄関の前にいる。屋内には既に診察を待っている患者で溢れている。
「行くか」
「うん」
2人は、院長室へ向かった。
コンコンコン
「失礼します」
『どうぞ』
返事を聞いて、2人は入室する。そこには畑山と1人の医師がいた。
「今日から君達2人は外科で研修を受けてもらう。と言っても、この先生のチームで研修を受ける形なのだがね」
「外科の西田だ。俺のチームはあとで紹介する」
現場で経験を重ねてきた事を感じさせる情熱と冷静さを兼ね合わせた瞳は、2人の《研修医》をじっと見つめている。
「馬渕です。よろしくお願いします」
「神瀬です。西田先生よろしくお願いします」
2人も挨拶を交わす。
院長室をあとにして、3人は外科の医局に向かった。
「西田先生、おかえりなさい。あら…?」
1人の中年の看護師が後ろにいる望愛と飛馬を見て驚いた。
「神田さん、チームのメンバーを揃えて下さい。研修医2人を連れてきましたから」
「じゃあ、2人が新しい研修医さんなのね。分かったわ。先にカンファレンス室に行ってて下さい」
どうやら神田と呼ばれた看護師も《チーム》の一員のようだ。
先にカンファレンス室に行って待つ事になった。