第3章 act2
「なぁって言う女、昔からここにいんのか?」
「かい?そうだなぁ…。あんたらが島を出た頃はまだもっとガキじゃったなぁ」
「…、そうか」
ローとベポは昨晩訪れた酒場で昼食をとっていた。
ランチもやっているここの酒場は酒も美味い上、マスターの料理の腕も文句無しなのだ。
「あの子は面白い子じゃよ」
「だろうなぁ」
ローは意味深く笑みを浮かべながらスプーンいっぱいに盛ったライスを頬張る。
「その子がどうしたのキャプテン」
ベポは先程から口元にオムライスのケチャップが付いたままだが本人は気付いていないらしい。
それはそれで彼らしく愛嬌があるのでローは先程から実は黙っている。
「別に。生憎メスの熊じゃねぇんだ。ベポには関係ない」
「聞いてすいません」
白熊は相変わらず打たれ弱いみたいだ。
「どこに行ったらあいつに会える?」
「なんじゃ、やたら積極的じゃないか」
「ふざけんな。用があんだ」
ローは少し早口で言い放しグラスの水をクビグビと飲み干す。
「ふぉっふぉっ…あんたは昔から嘘をつく時は鼻を弄るんじゃよ。全く変わってないなぁ」
「ああ?うっせぇよクソジジィ」