第3章 act2
俺は少し機嫌を悪くしながらも酒場の親父が教えてくれた店を目指す。
ベポはと言う人物が大分気になるみたいだったが無理矢理突き返したからまた肩を落としているだろう。
だが悪いが今は構ってられない。
大通りから抜けた路地裏をしばらく歩くとそれは出てきた。
CAFE&BOOK 牡丹
ここによく訪れると言う情報を得た。
扉を開ければ鈴の軽やかな音色が響く。
カウンターにいた女がその音色を合図に明るく迎えるも、数秒後表情は固まった。
「あっ…貴方…!七武海の…っ⁉︎」
「ああ…悪い、別にただ珈琲を飲みたくて来ただけだ」
女の一声に周りにいた客もどよめいているがこれくらいは慣れっこで。
一番奥のテーブル席へ座った。
店を後にする客達を横目に店員が控え目に差し出した珈琲へ口をつける。
入店した時から気になっていた。
天井までを埋め尽くす本達の壁。
そのあまりの数にこんな小さな街でここまで揃えられているとは少し感心した。
「……へぇ」
目当ての本を何冊か手にしローは椅子に深く座り直した。