第7章 act6
「…昔ここによ、俺が愛した女がいたんだ」
は彼の言葉ひとつひとつ、丁寧に耳を傾ける。
「必ず迎えに来ると約束して置いて行った。でも、あいつは死んだ」
「………」
ローは静かに足を進め一歩一歩の前まで向かう。
「俺にはあいつが最後の女(ひと)だと決め込んでいた。だが」
そしての正面まで。
「お前と出会ってそれは覆された」
「………」
「…俺はもう大事なものを失いたくないし、手放すつもりもない」
その顔は悲痛と、真剣。
「うん…」
海賊、海さえ知らないましてや女のお前を乗せるという事。
覚悟はついてる。
お前の事は何があっても俺が必ず守るから。
「だが一日猶予をやろう。明日の朝船で待つ」
「…もし来なかったら?」
「海賊だ。欲しいものは力尽くで奪えばいいさ」