第7章 act6
「ロー帽子濡れちゃってるよ」
「ああ…お前もびしゃびしゃじゃねぇか、風邪引くぞ」
ローは帽子を取り髪の毛を無造作に直す。
帽子を取った姿はくすんだ紺色の髪が綺麗で全く違う印象だからは見惚れてしまった。
「手首だって跡ついてんじゃねぇか、チッ」
「それは貴方です」
「は?いつ」
「さっき船で連れて行かれた時…」
それを聞いてローはバツの悪い表情を浮かべた。
「ああ…悪かった。…とりあえず風呂で温まった方がいいな。戻るぞ」
言ってローは何故かを担いだ。
「戻るって船に?…大丈夫なの?ていうかなんで担がれてんの⁉」
「ゴチャゴチャうるせぇな、誰の船だと思ってんだ」
ーーROOM
「うわっ」
途端、先程も見たドームのような空間が現れ、辺りを包む。
すると次には瞬間的に別の景色の所にいた。
「へっ?瞬間移動⁉スゴイ!」
「うるさい黙れ」
何度かそれを繰り返しては、あっと言う間にローの自室へ着いた。
「……」
「そこがシャワー室だから使え」
立ち尽くしたまま反応がないにローは悪戯に笑みを浮かべた。
「なんだ目回ったか?」
「…はい、かなり」
投げられたバスタオルと着替えはなんとかキャッチでき、は足取りもおぼつかないまま素直に風呂を借りた。