第6章 act5
「もう後悔しているあんたは見たくない」
最後にペンギンはそう告げて部屋を去った。
一人になってから、ローはゆっくりと目を瞑る。
瞼の向こうにはの無垢な笑顔が思い浮かぶはずなのに、さっき見た泣き顔がそれを邪魔する。
ローは立ち上がった。
辺りはもう日が落ちて来ている。
探し出せるだろうか。
会って抱き締めたい。
ローは走り出す。
ふう…。
後は女の返事次第だな。
確かあそこが空部屋だったはず。
ベポにでも掃除させておくか。
ペンギンは夕焼け空を仰ぎながら一人そんな事を考えていた。