第5章 act4
「じゃあおいでよ船、案内してあげる」
「本当ですかっ⁉」
「…いや、おい待て‼」
耳を疑うような会話が聞こえてきてシャチは一人焦る。
「ベポ、勝手にそんな事決めたら船長が何て言うか…」
「あ、彼には私の我儘とでもお伝え下さい。邪魔はしないよう責任はとります」
彼、呼ばわりする彼女にシャチはますます警戒心が増す。
「もう必要な物は買ったし、いいよねシャチ?」
完全に女に手懐けられた白熊は、その気のようで、シャチはもう考えるのをやめた。
「俺知らねぇ〜…」
「荷物半分持つよベポさん」
「えっいいよ女の子だし‼!あ、ベポで良いよ」
「ふふふ、その辺の女と一緒にしないでよね、力には自信あるのよ?ベポ」
ベポのせいだ、絶対。と、
シャチは心に決めたのであった。