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一輪の花

第4章 act3







ローはいつもの酒場ではクルーもいるだろうと考え少し離れた別の酒場にを誘った。


「お前酒は飲める口か?」

「うん、かなり」


挑発的な彼女の表情にローも満足そうに笑い酒と適当な料理を頼む。


「ねぇ貴方海賊なんでしょ?世界を旅しているの?」

「まぁそうだな。目的があって、それを目指して旅をしている」

「え?それって何⁉」

「ワンピース。世界中の海賊が血眼になって探してる宝さ」

「宝石なの?」

「まぁそうだな…」


の目はまるで子供の様にキラキラと輝いて、紡がれる言葉一つ一つに心を躍らせているのだろう。

そんな彼女が面白くてローは喉をクツクツと鳴らしながら笑う。




無邪気なが、酷く昔を思い出させて。


懐かしい思いと同時にやり切れない気持ちに駆られる。






ワンピースを探すの?

ああそうさ。
それを手にしたら
この世も手に入れられるんだ。

それって美味しいの?

馬鹿かジュリア、食う奴が何処にいる




ローが取ってきたら私に
一番に見るんだから












「ったく、お前に会えて良かったよ」

「え?それって口説いてるの?」


は先程からムシャムシャと食べている揚げ物の最後の一口を放り込んでからローに訊ねる。

「…いいから飲め、」

「何それ〜なんか顔赤いよ」

「美女を前にしているからな」

「絶対嘘だよね、この大根役者」



ローは無言での空いたグラスに酒を波なみついでやった。


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