第3章 とんこつ団という名の組織
クリムさんの声を聞き、それまで悪い足場に気を取られていた僕は顔を上げた。
すると、今まで茂っていた木が突然無くなり、目の前に野原が広がった。
その中でポツリと、家が建っていた。大きさは一軒家というよりは長屋と呼ぶ方がふさわしい。
それまで暗い所を歩いていたため、その明りの灯った長屋はとても眩しかった。
ルネさんはスタスタとその長屋に近づいていく。どうやらそこがとんこつ団の『アジト』らしい。僕とクリムさんもルネさんに続いて歩いていく。
近づくに連れて長屋の形がよく見えるようになってきた。
見た目は木製の一般的な長屋。アジトと言うくらいだからどんな禍々しい建築物なのかと身構えていたが、思っていたよりずっと普通だ。強いて言えば、扉が街で見る物とは少し大きめな気がする。
しかしルネさんはその大きな扉を通り過ぎ、長屋の裏に回った。
それに続くと、裏にも小さな扉があり、ルネさんはそこを開けてくれた。
なんで正面から入らないんだろう、と疑問に思いつつも、僕は家の中に入ったクリムさんについて行く。