第3章 とんこつ団という名の組織
今度は町外れに来た。
スラム街の人々が寝そべっている水鏡の国とはやはり違い、ゴミが所々落ちているくらいで比較的綺麗な所だ。
――ていうか、さっきから言われるがままについていってるけど、誰かに助けを求めれば助けてもらえるんじゃ……。
今更ながらにそう思うが、おそらく無理だろう。本当かどうかは分からないが、ルネさんが『王家直属の暗殺隊』と言っていた。それなりに高い身分なんだろう。
少なくとも警察は、ボロい布切れを身に纏った僕の言い分なんか、慰謝料目当てと判断して聞く耳を持たないだろう。
そんなことを思っているうちに、どんどん人気のない方に進んでいく。
住宅街とはかけはなれ、段々と緑豊かな木々が現れるようになる。森にでも近づいているのだろうか。
聞こえるのはさやさやという葉擦れ音と、僕達の砂利を踏む足音。あとは遠くで人々の賑わう声が聞こえるくらいだ。