第2章 非日常の始まり
「ていうか、なんで僕の尾行なんかしているんですか?それにさっきから僕に何の用ですか?」
一番聞きたかった事を聞いてみる。
この人達が怪しい人たちということは十分わかったが、僕に何でつっかかってくるのか疑問だったからだ。
それに、さっきルネさんが言った「勧誘」という言葉も気になるし、なんで僕の行動まで知っているのか聞かずにはいられない。
二人は顔を見合わせると、代表してルネさんが話しだした。
「リヒトさんは花冠の国を知っていますか?」
また質問の答えになってない。
スルーか?と思いつつも、その問いに頷いた。確か、海を越えた所にある大国と聞いたことがある。
ルネさんがニコリと微笑む。
「そうですか。私達は王家直属部隊の一員で、反逆者や不法侵入者を手にかける……
……いわば暗殺隊の一員です」
「あ、暗殺隊?」
間抜けな声を出してそう言うと、「そうだ」とクリムさんが応えた。
王家直属って、結構いい職業の人たちじゃないか。
それより暗殺って本当なのかと訪ねようとしたが、その疑問はクリムさんの衝撃的発言によってかき消された。
「リヒト、お前を花冠の国 暗殺隊にスカウトする」