• テキストサイズ

私の知らない先輩【沖田】

第1章 知りたいこと


にゃー、
どこからか、猫の鳴き声が聞こえる。その声のする方へ顔を向けると、見覚えのある服装の人がいた。

「沖田、さん…?」

ベンチに腰掛け、ほっぺを手になすりつけてくる猫に、少し微笑んで見える。

あんな風に、笑うんだ…

沖田さんは猫なんて興味ないと思っていたし、もしあっても調教しか思い当たらなかったから、こんなところを見て本当に驚いていて、同時に、この不思議な綺麗な空間で、沖田さんはきらきらしてて、ふわふわな風に包まれて、すっごいかっこいいし、

どきどき

心臓が大きく高鳴って
苦しいです

「…」

「…」

「…あ」

沖田はさんがこちらに気がつき、猫から手を離す
2秒、時が止まった気がした

「あ、こっこんにちわ!き、奇遇ですね!」

明らかに怪しまれるような言い方になってしまったけど、別にやましいことなんてないよね!?

「なにやってるんで?」

そういって座ったままこちらを見る沖田さんは
なんだか、いつもより表情が優しい気がする、声も…

「散歩してたら、たどり着きました」

「甘味処にもよったんじゃねぇの?」

にやっと、なんでも見透かしたような笑顔で、沖田さんはいう。
どうして、私の声に出してないことが、こんなにもわかるのでしょうか

「よ、よりました!すごいですね」

「甘いもの好きなんだろィ、だからそうかなって」

「なるほど!」

ケラケラと笑うと、
視線を下げて猫に触れる。

優しい触り方だな、と思った

「…こっちにきなせェ」

猫に目を向けたまま

「え…?」

沖田さんは空いた手で、ベンチをトントンと叩いた

「…」

「はい!」

少し距離を遠慮して隣に座る。

なんだかいつもの、こわいな、という気持ちがないことに気がつく。
それに、普通に話せてる。

沖田さんは、いつもなにを考えているんですか?
/ 7ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp