第1章 知りたいこと
「おい。今日は休みかィ?」
部屋で本を読んでいると、沖田さんが現れた。
「うわっ!びっくりしました!」
「本読みか」
「はい」
「面白れぇの?」
「はいとても!」
真選組に来て4ヶ月。
もう怖いものはなくなりました
沖田さんともこんなに仲良くなれたし毎日が楽しくて仕方ありません
「どんな話なんで?」
そう優しく言うと、沖田さんは私の横に座る。
隊服を着てない沖田さんもかっこよくて、少し胸が早く鳴った
「恋愛ですよ」
「女は恋愛話がすきだねィ」
「はい」
私たちはよく笑う気がします。
「読み終わったら俺の部屋にきなせェ、ひなたぼっこでもしやしょう」
「ひなたぼっこ?」
「いい天気だろィ、嫌なら来なくていい。じゃあな」
そう言うと、沖田さんは私の部屋から出ていきました。
「日向ぼっこなんて可愛いです」
ひとりそう呟いて、また本に目を向ける。
2行読んで考えた。
早く、行きたいな
いてもたってもいられずに、沖田さんが帰って1分も立たずに部屋を出た。もちろん全部読み終わっていないし、明らかに早いけど、
「沖田さん!」
「え、随分とはええですね」
「はい!ひなたぼっこしましょう!!」
驚いた顔の沖田さんに笑顔でそう言うと、綺麗な笑顔を返してくれる
ドキドキとうるさい心臓は
走ってきたせいなのか沖田さんのせいなのか
「こっちに来なせェ」
そして自分の隣をトントンとたたく、
この前と同じ
「はい!」
この前より少し近くに座り、
暖かな光に目を閉じます。
「こりゃあいい休日でィ」
「そうですね」
ほわほわと、ふたりは半分夢の中。
沖田さんは本当はいい人で
今となってはすごく仲良しで
剣を振るあなたの姿が、
私に向けてくれる綺麗な笑顔が素敵で
もっといろんな沖田さんを知りたい
そう思う。
ドキドキと、沖田さんのとなりで鳴るこの心臓が
近くで聞こえてないかとまたどきどき。
「んー」
沖田さんに目を向けると既に眠っていて、サラサラの髪が太陽に照らされて綺麗です。
「沖田さん、これからも私と仲良くしてください」
きらきらの沖田さんの隣、
私はそう呟くと、ぽかぽかな日差しの下で眠りについた。
「…寝てるから聞こえてないとでも思ったんですかねィ」
これが恋だと気づくのは、
もう少し後のおはなしです。