第1章 知りたいこと
次の日。
やっぱり、この日が来た。
「今日は総悟とが見回りに行ってくれ」
近藤さんはにかっと笑ってそう言うと、次の隊士たちに今日の仕事を言うためにどこかへ行った
「わかりやした」
「……はい」
げ。最悪
沖田さんと見回り?
腹痛です。とか言ってみようかな
いやだ、いやだ、いやだ
めっちゃ怖いいいいいいいいいいいいい
「仕事だ、我慢しなせェ」
「え…?」
「…」
明らかに顔色の良くない私に、
沖田さんが伏し目で言った。
どうして…
私が怖がっていることを知っているの?
沖田さんはそう言うと立ち上がり、玄関へ向かう。
その後の車内でも、私たちは一言も話さなかった。
「…」
「…」
空気が重い。
それにさっきのこと…
自分のことを嫌いな奴とおんなじ車内とか嫌ですよね
すみません…。でも
沖田さんも私のことは嫌いなはずだからお互い様か
そんなことを考えていたら車が止まりました。
「…?」
「疲れやした、少し休んで行きやしょう」
「あ…はい」
なるほど、そういうことか
沖田さんはよくサボるって、土方さんに聞きました
目の前に、甘味処があるから
てっきりそこに行くのかと思いきや、沖田さんは車から降りません
あれれ、ただ止まっただけか
少し残念だなぁ
それに沈黙はきついな
「…」
「…」
「甘いもの好きなのかィ?」
「え?あ…はい、好きです」
沈黙の少し後に、沖田さんが話しかけてくれました。
ハンドルに手を置いたまま甘味処をみています。
「…じゃあ、行きやしょう。おりなせェ」
「…え?」
「行きたいんだろィ?」
そして沖田さんはちらっと私を見た
びっくりしました。
「…っ、はい!」
気づかれていたなんて…恥ずかしい
「…」
沖田さん、観察力がいいんですかね?