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【★ハイキュー!!★】短編集

第3章 【黒尾 鉄朗】不安定なトライアングル


仕方がないので俺の家で遊ぶことになった。
部屋に入れるのはいつぶりだろうか。
なんとなく、緊張する。

「あんまり、変わんないね」

ちょっとバカにしたように笑って、ひろかはベッドに腰掛けた。

「研磨、うまくやってっかなー」

あまり人付き合いが得意ではない研磨のことを心配になり思い出す。
そんな俺の発言にふふっと笑いながら、ひろかは俺の机の上にあったストラップを手に取った。

「あぁ、それ、なんかクラスの女子にもらった」

俺がそう言うと、そのストラップをゆっくり机に戻し再びベッドに腰掛けた。

「クロは昔から、なんだかんだモテるもんね」

まぁな。と返す俺の顔を覗き込みながらひろかは言った。

「クロはどんな子がタイプなの?」

そうだな…と俺はわざとにひろかの胸元に顔を近づけた。

「ひろかも、もう少し胸があったらよかったのになー」

「えっち!最低ー!!」

そう言ってひろかは胸を隠すようにそっぽ向いた。

「そんな事でキャーキャー言うなよ、子供じゃないんだし」

「じゃぁ、クロは大人なの?」

「少なからずひろかよりはな!」

「じゃっ、じゃぁさ…」


さっきまでそっぽ向いていたひろかが
真っ赤な顔で俯きながら口を開いた。





「クロはさ…、キスしたことってある?」






理性が飛ぶと言うのはこういう事を言うんだと思った。

俺はひろかをぐっと引き寄せて、唇を重ねた。

今までずっと押し殺していた気持ちが一気に爆発したかのように何度も何度もひろかにキスをした。




「なぁ、研磨に俺らのこと、言わないでおかねーか?」

「…そうだね」

俺たちは、研磨に何も伝えなかった。
研磨はまだひろかのことをそういう対象に見ていないことも知っていたし、
もし知ってしまったら、研磨が気を使ってまた自分の殻に閉じこもるんじゃないかと心配だった。

そしてそんな研磨を見て悲しい顔をするひろかを見たくなかった。




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