第3章 【黒尾 鉄朗】不安定なトライアングル
それから月日が経って、
俺は研磨がひろかに好意を持ち始めたことに気がついた。
そして、研磨は俺たちの事に気がついているんだろうとも感じた。
お互い分かっていてあえて確認を取ったりはしない。
それをしてしまったら、俺たちの関係がきっと変わってしまうから。
そしてそれは、ひろかを一番悲しませることだから。
毎朝研磨の部屋へ起こしに行くひろか。
俺は絶対に一緒には行かず、玄関前で待っている。
「おっせーぞ!研磨!」
俺たちはこれからも、
変わってしまったことに気付かないフリをするんだ。
The End