第16章 【西谷 夕】俺が100歳になったら…
「ぎりぎりセーフ」
私はなんとか遅刻せず出社することが出来た。
息があがっている私を見て、同期の南くんがコーヒーを入れてくれた。
「おはよう、佐藤。随分ヤンチャしてきたみたいだな」
「あっ、ありがとう」
私は南くんが入れてくれたコーヒーを飲みながら
朝の出来事を話した。
「中学生くらい…かな?怪我とかしてないといいけど…」
「それくらいなら怪我なんてしねーよ。
あっ、でもあれだ。今流行のモンスターペアレント?
今日親御さんが殴り込みに来るかもな」
私は南くんの脅しに少し不安を覚えたが、
それよりも、彼に怪我がないかの方が心配だった。