第14章 【菅原 孝支】O2(オーツー)
「大地、何見てんの?」
俺たちは新歓の準備の買い出しに出ていた。
大地が珍しく雑貨屋さんで立ち止まっていた。
「もしかしてひろかに?」
二つのストラップを手にとって
見比べていた。
「ひろかはこっちの色が好きだよ」
俺のアドバイスを聞いて、大地はストラップを買いに行った。
「スガ、助かる。俺、こういうの疎くて…」
そうだよ。
俺の方がひろかの好きな色、
キャラクター、香り…なんだって知っている。
なのに、なんで大地なんだ。
「孝ちゃん、見て見て!
澤村くんからもらったの!!」
次の日の夜、ひろかが俺の部屋へ遊びに来ていた。
「へぇー!よかったじゃん」
と、知らないフリをする。
「しかも、私の好きな色だよ!?澤村くん、すごい!」
それは俺のアドバイスだし…
そんな事を考える自分が女々しくて嫌になる。