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【★ハイキュー!!★】短編集

第14章 【菅原 孝支】O2(オーツー)


「なぁ、大地ー。佐藤さんってモテるんだろ?
こないだまた中庭に呼び出されてたぞ?
その…心配になったりしないのか?」

部活後、俺たちは肉まんを食べに寄り道をしていた。
旭が大地を心配そうに見ていると
大地は少し考えながら口を開いた。

「そうだな。全く気にならないと言えば嘘になるけど…」

「けど?」

「俺か他の奴かを選ぶのは佐藤だから、
俺は他の奴らに負けないような男になる努力をするしかないだろ?
あっ、でも本当に取られそうになった時は、フォロー頼むな?」

大地はハハハと笑って最後の一口を口に含んだ。

そうだ。大地はこういうやつだった。
誰かと自分を比べて卑下したりしない。
常に自分自身と戦うやつなんだ。




「そう言えば、昨日ひろかがうちに来て、
ストラップ自慢してたぞ」

「あぁ、あれな。思った以上に喜んでくれてビックリしたよ。
スガがアドバイスくれたからだよな」

「えっ?佐藤さんって、スガの家によく行くの?」

そう言えばそうだ。
いくら幼馴染とは言え、彼氏としては面白くないんじゃ…
俺がそっと大地を見ると、大地もこっちを見ていた。

「佐藤にとってスガって、
ものすごく大切な存在なんだと思うだよね」

大地が優しい顔で俺を見た。

「いつも家に1人で、相当寂しかったと思う。
それを紛らわせてくれたのがスガなんだろう?
佐藤にとって、スガは酸素みたいな存在なんだと思うんだよね」

大地がそんなことを言うから、
俺は歯がゆくて、どんな表情をしたらいいのかわからなかった。

「スガは俺なんかよりずっと佐藤のこと知ってるし、
それに…幼馴染って独特の空気感あるだろ?
それが佐藤にとって、かかせないんだと思うんだよね。
正直、ちょっと悔しいけど。
だから、俺じゃダメな時は頼む」

な?と笑いかける大地がすごく大人に見えた。

「普通、自分以外の男に頼むかー?」


俺たちが笑っていると、大地はそろそろ行くぞと立ち上がった。

「…スガにはかなわないよ、俺は。
それに、佐藤が笑っていられるなら、それでいいって思う。
もちろん、俺の力で出来ればいいなとは思うけどな」

大地の背中がすごく大きく見えた。




「かっこよ過ぎ…俺だってかなわないよ…」






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