第99章 【東峰 旭】U&I
旭くんのメールには画像が添付されていて、昔からある商店のような店内が映っていて、商品棚の向こうにはキレイな女の子が映っていた。
学生時代、学校帰りに寄り道してお菓子買い食いしたなー。なんて昔の事を思い出しながら微笑ましい気持ちになった。
私は画像に写っていたキレイな女の子の事を、彼女?と尋ねると部活のマネージャーだと返ってきた。ちょっぴりからかうように、彼女の事好きなの?なんてメールを送ってから、携帯のマナーを解除してキッチンへ向かった。
「ふ~、ふふんふ~♪」
下ごしらえをしている途中に携帯の着信音がなった。
通常のメールの着信音。恋人からではなく旭くんからだな。と判断し、手が離せなかったのでしばらくはそのまま放置をしていた。
「よし、あとは食べる前に・・っと」
帰ってきた時にあつあつの状態で出せる様に準備をし、彼からもうすぐ帰るよという連絡を待った。
ふと先ほど携帯が鳴っていた事を思いだして携帯画面を開くと、目を疑うような内容が書かれていた。
「うそ・・旭くんが私のことを好き・・?」
だって私は24歳。彼は17歳。
まさか。そう思ったけど、もし本当ならきちんと断らなきゃ。
そう思って、今付き合っている人がいる事。旭くんの気持ちには答えられない事を伝えた。
「ひろか?どうかした?」
「えっ!?・・あっ!ううん、なんでもない!」
彼が帰ってきて夕食を取っている間も先ほどのメールが気になっていた。
あれから返信はない。
これでいいのだ。そう思うけど、なんとなくひっかかる。
「あっ!明日俺、飲み会だから自分の部屋に帰るから」
「えっ?職場の飲み?ならうちの方が近いんじゃない?」
「あぁー、いや、学生時代の奴らと飲むからもしかしたら俺の部屋で飲み直すことになるかも」
「そーなんだ。珍しいね、学生時代のお友達と飲むなんて。飲みすぎないように気を付けてね」
私はもう旭くんのことを忘れようと、ご飯を一気に頬張った。