第99章 【東峰 旭】U&I
「おぉ~い、旭!お前肉まんいらねーの?」
「・・ごめん!俺はいい!!先に外出て待ってるから!!」
俺はスガ達にそう言って急いで坂ノ下商店を出た。
一度大きく深呼吸をして携帯に文字を打ち込んだ。
『清水は確かにキレイだしいい子ですけど、俺はひろかさんが好きです』
何度も何度も読み返して、読み返すほど恥ずかしくなって、これを読んでひろかさんはなんて思うだろうとか、どんな顔をするだろうとか、いろんな事が頭の中でぐちゃぐちゃになって沸騰寸前だった。
「いや、さすがにこれはいきなり過ぎだよなぁ・・」
打ち込んだメールの文章を何度も消しては打ち直し、その度に頭を抱えていた。
「旭!?何やってんの?」
「・・・わっ!!」
後ろから急に声をかけられた拍子に押してしまった送信ボタン。
どんなに電源ボタンを押しても送信中の文字は消えない。
そして数秒後、送信しました。と可愛らしいメールのイラストと共に画面に表示された。
「ちょっとスガ!送信ボタン押しちゃっただろ!!」
「・・ん?何のこと?」
スガはそう聞いた後に、ピンときたかのような顔をして俺に近づいてきた。
「ひろかさんにメール?いいじゃん、それくらい。大げさだな~」
「ただのメールじゃ・・ない」
「ん?」
「なんだよ?」
スガと大地は俺を囲んで問い詰めた。
「告白メール送っちゃった」
「・・・は!?マジでか!!」
「えぇ~!何て送った?なぁ、見せて見せて!」
「やだよ!絶対ダメ!」
「いいべ、いいべ、減るもんじゃないし。なぁ、大地?」
「そうだ。それに送ったもんはしょうがねーだろ。な、旭?」
明らかに面白がっている二人に渋々内容を伝えると、返事はまだかと急かしてきた。