第99章 【東峰 旭】U&I
こんな経緯で今、ひろかさんとデートをしている。
「お世話になってる上司の息子さんが高校入学したんだよね。お祝いに何がいいかずっと迷ってて。現役高校生の旭くんなら若者の欲しいもの分かるかなって思ってさ!」
スガ達にはそれデートって言うのか?と笑われたけど、女性と二人で買い物に行くなんて今までなかったし、俺にとってはデート以外の何物でもなかった。
「これとかどうですか?今流行ってるし・・」
「えっ!?そうなの?今若者の間ではこんなのが流行ってるんだ・・」
「ひろかさんだって若いじゃないですか」
「いやいやいや!高校生から見たら私なんてオバサンだよ~」
アハハと笑いながら商品を手に取って、物珍しそうに眺めていた。
確かにひろかさんは大人の女性だけど、俺たちの間にそんなに高い壁があるのか。ひろかさんが俺を「若い」と言う度に、突き放されて距離が離れていくように感じて寂しくなる。