第97章 【京谷 賢太郎】それはきっと空のせい
「京谷っ!」
翌日、また佐藤が俺の元にやってきた。
そして、俺の前に1枚のDVDを差し出す。
「はい、これ。昨日話してた試合の映像!お父さんに頼んでDVDに焼いてもらったの。京谷にプレゼント!」
はい。と俺の机に置いてニコニコと笑っていた。
「・・。お前、俺なんかに話しかけてっと、また矢巾がキレるぞ。面倒くせぇからもう俺に話しかけんな」
「・・あはは!京谷ってそういうの気にするんだ。へぇ~」
そう言って机の上に置いたDVDを手に取って俺に背を向けた。
「かなり貴重な映像なのにもったいないなぁ。でも京谷がいらないって言うなら仕方がないよね?」
ひらひらとDVDを揺らしながら、わざとらしく大きくため息をついた。
「・・DVDは・・くれ」
「じゃぁ、今日お昼一緒に食べない?いつも一緒に食べてる子がお休みなんだ!」
「ってめぇ!なんで俺がお前とメシ食わなきゃなんねぇーんだ!!」
「ふふ。DVDと一緒にいつもの所でお待ちしておりま~す」
「・・くそ」
佐藤が持ってきたDVDはかなり貴重な試合の映像だった。
「なんで俺があいつとメシ食わなきゃなんねーんだよ・・」