第97章 【京谷 賢太郎】それはきっと空のせい
「へぇ。岩泉さんのクラスは腕相撲大会ですか!」
「おぅ。参加費で売上1位狙う!」
何度目かの実行委員会が終わり、いつも通り俺と岩泉さんと佐藤が教室に残った。
「京谷も来いよ?勝負しようぜ!」
「・・ぜってぇー負けねぇ」
俺たちがそんな話をしていると、佐藤も楽しそうに笑っていた。
「あっ、岩泉さん!時間、時間!ここはもう私がやっておきますから部活行ってください」
「いや、いつも任せてばっかだしな・・」
「大丈夫です。それに岩泉さんいないと及川さん寂しがりますよ?」
「なんで、あいつが出てくんだよ」
ふふふと笑いながら、佐藤はムスっとしている岩泉さんの背中を押した。
「佐藤、いつも悪いな・・恩に着る。気を付けて帰れよ?」
「いえいえ。それに京谷がいますから!・・ね?」
「・・うっせー。てめぇ、早くしねーと置いてくぞ」
そう言うと佐藤はまた楽しそうに笑っていた。
岩泉さんは何度も佐藤に謝りながら教室を出て行き、俺たちは残りの仕事に取り掛かった。
「ねぇ、京谷?京谷っていつからバレーに興味持ったの?」
「・・お前に関係ねぇーだろ」
「いいじゃん、それくらい。私はね、97年の時が一番好きで・・」
「・・は!?お前バレー知ってんの?しかも97年って・・」
「好きだよ。スポーツの中で一番好き!ピアノ習ってるから観る専門だけど。お父さんが昔バレー部だったみたいで、その影響かな。昔の試合の映像も沢山見せられたよ?」
それから俺たちはバレーの話で盛り上がった。こいつは結構話せる奴で昔の選手の話や海外選手の話まで話は膨らんだ。
「やばっ!もうこんな時間!!」
俺たちは書類を生徒会室に持って行ったが、すでに生徒会室は閉まっていて明日提出することにし、そのまま玄関へ向かった。