第97章 【京谷 賢太郎】それはきっと空のせい
あれは1年の時。
イライラする。
何もかもがイライラする。
学校に行けば、クラスメイト達は俺を腫物扱い。
部活に行けば、ヘタクソな野郎ばっか。
くそつまんねぇー。
「・・・ちっ」
スポーツバッグにはシューズや練習着。
その重さが左肩にズッシリくる。
「おい、京谷!!」
廊下で声をかけられ顔をあげると、そこにはいけ好かない野郎が立っていた。
「お前、いい加減部活来いよ!!」
「・・うっせー!お前には関係ねーだろっ!」
「関係なくないだろうがっ!!」
こいつは同じ学年でバレー部の矢巾秀。
こいつも俺をイライラさせる一人だ。
「やっ、矢巾?何大きな声だし・・て・・」
矢巾の陰から出てきた女が、睨み合う俺たちの間に入って来た。
「はいはい。こんな所で喧嘩しない!他の人に迷惑でしょ?やるなら別の所でやってよね!」
ポンポン。と俺たちの肩を叩くそいつの手を振り払って、俺はその場を去った。