第88章 【青根 高伸】私の彼を紹介します。
「ひろか!」
家の近くで声がかかり顔をあげると、家の前には元彼が立っていた。
「ずっと待ってたんだ。なぁ、ひろか。俺たちやり直さないか?」
「えっ!?だって彼女・・」
「彼女とは別れる。やっぱり俺はお前がいい!」
グッと両肩を掴まれて、私は身動きが取れなくなってしまう。
「ちょっと待ってよ。そんな急に言われても・・」
私は隣にいた青根くんを見上げた。
青根くんは私を一度見て、コクンと頷いて去って行った。
「・・青根くん」
今の頷きはどういう意味だったの?
ねぇ。青根くん。
青根くんの気持ちが分からないよ。