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【★ハイキュー!!★】短編集

第82章 【東峰 旭】厚かましいお願いですが、宜しくお願いします。


その日から毎朝、私たちは一緒に参拝した。

「ひろかさんは高校卒業してすぐに実家の手伝いを?」

「そう。一人娘だからね。高校のときだって年末年始は手伝いで大忙し」

私が舌を出して笑うと、旭くんも一緒に笑った。

「俺、誕生日が元旦なんです。だから友達から誕生日ぴったりにおめでとうって言われることほとんどなくて」

「確かに電話もメールもつながらなくなるもんね!」

「しかも新年のお祝いと一緒にされちゃうし…」

ブスっと拗ねる旭くんはとっても可愛い。

「しかも、今年は自分の誕生日にバイトだしね?24時ぴったりなんて一番忙しいと思うよ!」

ギョッとする旭くん。
コロコロと表情を変える旭くんの顔を見るのが私の楽しみになっていた。






「東峰くん、御神酒なくなりそうだから、これ持って行って!」

「はいっ!」

大晦日、参拝者が大勢列を作っている中、私たちは裏でバタバタと走り回っていた。
私にとっては毎年のことだけど、旭くんは大丈夫だろうか?そう思って彼の様子を見に行くと、さすが運動部と言えばいいのだろうか。次々と指示された仕事をこなし、背の高い彼は高い所の荷物や力仕事なんかも軽々とこなしていた。

あっという間に時間が経ち、時計を見るとあと数分で日付を跨ごうとしていた。

「・・・旭くん!!」

私は旭くんの元へ駆け寄った。

ゴーンと言う24時を知らせる音と共に、私は口を開いた。

「お誕生日おめでとう!!!」

くしゃっと表情を崩して、彼はありがとうございます。と笑った。

「じゃぁ、仕事戻るね!また後で!!」

私はすぐに持ち場に戻った。



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