第80章 【澤村 大地】カフェオレ
大地くんのその言葉に菅原さんがニヤリと私に笑いかけた。
私もニヤリと笑って、隣に立っていた東峰さんの腕に抱きついた。
「じゃぁ、私バレー部の真面目な東峰さんとお付き合いしよーっと!」
「えっ!?ひろか?ちょっ・・・!待て!大地!違う!違うから!!」
東峰さんは、ものすごい顔でこっちを見ている大地くんに懸命に弁解していた。
「このヒゲちょこ!!ひろかから離れろっ!!」
私の腕を振り払って逃げる東峰さん。それを追う大地くん。そして、その様子を笑ってみている菅原さん。
「だっ、大地!本当、あれはひろかの冗談だから!」
「誰が勝手に名前呼びしていいって言ったんだよ!馴れ馴れしくするな!」
「いっ、いまさら・・・」
壁際まで追いやられた東峰さんは大地くんを落ち着かせようと必死に話すけど、逆効果のようだった。
「ひろか、そろそろ助けに行けば?」
「菅原さんが仕向けたんじゃないですか」
「ハハ。でも、大地もホント、過保護だよな」
「・・・ですね。私の気持ちも知らないで」
私がそう言うと、菅原さんは優しく微笑んで頭に手を置いた。
「・・・頑張れ!」
そう言って菅原さんは大地くん達の所へ走って行った。