第74章 【岩泉 一】私の言う事は・・・?
「じゃぁ、私の言う事は~?」
「「・・・ぜったーい…」」
案の定、一番ハイスコアを出したのはひろかだった。
「とりあえず、今日は特に思いつかないので、思いついた時にお願い事します。皆さんよろしくお願いしま~す」
るんるんとスキップしながらシューズをフロントに返しに行くひろかを見て、及川達は肩を落とす。
駅までの道をずらずらと歩く。
ひろかは先ほど岩泉に取ってもらった飴を眺めながら、鼻歌を歌っている。
「岩泉先輩?私、これ家宝にしますね!!」
「・・・マジでやめろ。早く食えっての!溶けるぞ?」
でも・・・と渋るひろかに岩泉はため息をつく。
「飴なんてまた取ってやるから」
な?となだめて、ひろかを見るとまだ眉間にしわが寄っていた。
「先輩・・・飴ちゃんと食べますんで、今日送ってください!」
「は!?関係ねぇだろっ!」
「可愛い後輩の女の子を一人で帰らせるんですか?男としてそれはどうなんでしょう?」
岩泉はうっ。と固まり、覗き込んでくるひろかにわかった。と返した。ひろかはやった!と満面の笑みを見せて、スキップしながら、前を歩いているメンバーの元へ行った。