• テキストサイズ

【★ハイキュー!!★】短編集

第71章 【菅原 孝支】男の子


自主練も終わって、部員達がぞろぞろと体育館から出てきた。私は邪魔にならないように、入口横の体育館の壁に寄りかかった。

入口から出てきた菅原と目が合う。

「すがわ・・・」

私が声を発すると同時に菅原は目を逸らして、走って行ってしまった。

「清水~!」

菅原はマネージャーの清水さんの元に駆け寄って行った。何か楽しそうに話をしていて、私はそこに入って行くことが出来ない。

「菅原の・・・バカ」






「佐藤?」

ふと顔を上げるとそこには菅原が居て、帰んないの?と声をかけてくれた。

「理香が繋心さんと帰っちゃって、澤村も今日用事あるみたいで・・・」

前なら、一緒に帰ろうよっ!って半ば強引に誘えたのに、どうして私は今こんなに遠まわしに誘ってるんだろう。

「そっか。じゃぁ、気を付けて帰れよ?」

「えっ…」

じゃぁね。と菅原は私に背中を向けた。
どんどん離れていく背中。


待って。


その一言が出てこない。

どんなに下唇を噛んでも、目からは涙が流れてくる。

“菅原・・菅原・・・”

私は俯いて、何度も心の中で菅原を呼んだ。









「なーんてなっ!冗談!」

菅原が振り返って、そう言った。

「・・・えっ!?何泣いて…っ!」

菅原は泣いている私を見て、驚きながら近くに来てくれた。

「泣くなよ。ごめん。冗談だから!なっ?」

私の頬を濡らした涙を、菅原は自分のトレーナーで拭ってくれた。




/ 700ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp