第71章 【菅原 孝支】男の子
「ひろか~、今日繋心さんに会いに行くの付き合って~」
「あぁ…うん。でも、見学出来るの?」
「ちょっと、澤村に聞いてみる!!」
行こっ?と理香は私の腕を掴んで、澤村達の所へ連れて行った。
「澤村~、今日部活見学行ってもいい?」
振り返った澤村は少し眉間にしわを寄せた。
「お前…烏養さんに会いたいだけだろっ」
「逆にそれ以外何があるの?友達の恋を応援してくれないの?・・ねぇ、菅原?」
菅原はあははと笑って、そうだぞ、大地ぃ。と澤村の肩をぽんぽんと叩いていた。
「お前ら…。嘘でも俺らの応援したいからって言えば考えたんだがな」
「大丈夫!澤村と菅原の応援はひろかがするから!」
バシンと私の背中を叩き、ね?と理香が言うから、私はゲホゲホと咳をしながら首を縦に振った。
その様子を見て、呆れた顔で澤村は分かったよ。と承諾してくれた。
こんなに近くにいるのに、菅原は私の方を向いてくれない。いつもの様に笑って話をしているのに、一度も私と目が合わなかった。