• テキストサイズ

【★ハイキュー!!★】短編集

第70章 【菅原 孝支】今日俺は友達を失う。



負けた大地チームがおごりのジュースを買いに行っている間、俺たちはクレーンゲームの景品を見て回った。

ふと、佐藤が居なくなっていてキョロキョロとあたりを見渡すと、一つのクレーンゲームの前でじっと景品を見つめている。

「…何?それ欲しいの?」

「あっ、うぅ~ん。ちょっと取るのは難しいかな?」

そこにあったのは良く分からないキャラクターのストラップ。どこが可愛いのか分からない。むしろ、ちょっと気持ち悪いくらいだった。

「ちょっと待ってて」

俺は財布からありったけの100円玉を取り出した。少しずつ、少しずつ前にずらしていって、最後の100円玉に想いを込めた。

ボトン

「わぁ!取れた!すごい、菅原!!」

正直ホッとした。
クレーンゲームなんてそんなに得意じゃないし。

「菅原、はいっ!」

佐藤が景品を俺に差し出した。

「えっ、いいよ。佐藤にあげる」

「2個取れたんだよ?一緒に付けよ?」

そう言うと、佐藤が俺のカバンにその景品を付けた。そして、自分のカバンにも景品を付けている。

「おそろいだね!」

笑ってその景品を揺らしながら、嬉しそうに笑う佐藤を見て、本当に景品が取れてよかったと思った。

クレーンゲーム練習しようかな。

そんなバカな事まで考えてしまう。



その後、大地達がジュースを持ってきて、ゲーセン内のベンチに座った。

「ひろか、なにそれ~!キモキャラ!」

「可愛いじゃん!菅原に取ってもらったんだ~」

いいでしょう?と見せびらかしている佐藤を見ると、口元が緩んでしまうから、ぐっとジュースの缶を口に持っていった。



/ 700ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp