第68章 【松川 一静】俺の彼女はドS
何に対抗したのか、私の友人達も口をそろえて、ひろかもSだと言い切った。当の本人二人を置き去りにして、どっちがよりSなのか言い合いをしている。
「こうなったら、二人付き合ってみればいいじゃん!そうすればどっちがSか決着がつく!」
今となっては誰がそんなバカな事を言ったのか思い出せない。
もう収集がつかなくなって、私が口を開いた。
「ちょっと、ストップ!勝手に決めないでよ!ね?松川!」
「・・・別に俺はいいけど。佐藤と付き合うの」
彼は何を言っているのか。
私は唖然とし、何も言えなくなった。
ガタンという音を立てて、松川は椅子から立ち上がり、私の腕を掴んだ。
「行くよ?」
私は引っ張られる力に少し対抗しながら、とりあえず自分のカバンだけを手に取って教室を後にした。