第64章 【黒尾 鉄朗】Eighteen
結局あれからどれくらい経ったのだろうか。
外はもう暗くなっていて、俺はすでに冷め切っているホットコーヒーを口に含んだ。
熱いコーヒーはあんなに美味しいのに冷めるとなぜこんなにもまずいのだろうか。じっと冷たくなったコーヒーを見ていると、今の自分を見ているようで嫌になる。
「帰るか…」
自分の誕生日に公園で何をしているのか。誕生日とか記念日とか、あまり気にしない側の人間だと思っていたけど、俺って結構女々しいんだな。なんて思いながら公園を後にした。
ピピピピ
携帯が鳴る。
携帯にはひろかの名前が表示されていた。
「もしもし?」
「あっ、鉄朗?今どこ?」
「〇▽公園だけど?」
「良かった!じゃぁ、今すぐ学校に来て?」
そう言うと、ひろかは俺の返事も聞かずに電話を切った。あいつ今日予定あったんじゃなかったのか?まぁ、そんなことはどうでもいい。早く帰って来た言い訳を親にするのも面倒だったので、俺はすぐに学校へ戻った。