第63章 【月島 蛍】僕は君が大っ嫌い。
「ツッキー!お昼食べよっ!」
いつものように山口が僕の席に来る。
けど、ひろかはこっちには来ない。自分の席でおにぎりを取り出していた。
別に一緒に昼食を取る約束をしていたわけではない。たまたま隣の席だったから一緒に食べているように見えただけのこと。
「あれ?ひろかちゃん呼ぶ?」
山口がそう言うけど、僕はいいよ。と突っぱねた。
どうせ、おにぎりがうまく開けられなくて僕を頼って来る。そう思ったから。
「ちょっ!佐藤?何やってんだよ」
声のする方を見ると、ひろかの隣の席で昼食を取っていた男子が彼女のおにぎりを取り上げていた。
「お前、どーやったらこんなぐちゃぐちゃに出来んだよ」
彼は笑いながら取り上げたおにぎりをキレイに作り上げてひろかに渡していた。