第63章 【月島 蛍】僕は君が大っ嫌い。
「今日席替えするぞー」
担任がそう言うと、教室がざわつく。
学級委員が番号の書かれた紙が収納された箱を持ち、次々と生徒達が引いていく。
「18番」
僕の引いた用紙に書いてあった数字。
自分の席に戻ると、同じタイミングで隣の席のひろかも戻ってきた。
「月島くんは何番だったー?」
「・・・18だけど。そっちは?」
「うんとね、29番だったー」
パッと黒板に書かれた数字を見ると、僕は真ん中の列の一番後ろ。ひろかは窓際の列の真ん中あたりだった。
「離れちゃったねー残念」
本当に残念と思っているのか。全く残念感が伝わってこない。
「僕は嬉しいけどね。君の世話しなくて済むし」
「あははー。そっかー」
気の抜けた声でそう言って笑っている。
嫌いだ。君が嫌いだ。