第63章 【月島 蛍】僕は君が大っ嫌い。
僕は君が嫌い。
女のくせに、男の僕に髪を結んでもらい、コンビニのおにぎりも上手に開けられない。部活ではよく転んだり忙しない。
見ているこっちが疲れてしまう。
無人島に何を持っていくかと聞けば、
月島くんが面倒見てくれないと生きていけなさそうという理由で僕を持っていくと言う。
僕がいないと何にも出来ない。
そういう君が僕は嫌いだ。
「月島くん、おはよー」
朝練前のストレッチをしていると、ひろかがいつもの気の抜けた声で話しかけてきた。
「・・・今日はちゃんとしてんじゃん」
いつもセットしていない髪型が今日はキレイに頭の上に大きなおだんごを作っていた。
「清水先輩にやってもらったのー」
ヘヘヘと照れて、おだんごを触っていた。
僕は立ち上がってひろかを見降ろし、そのおだんごを上から押さえつけた。
「月島くーん、崩れちゃうよー」
困っているのに全く抵抗しない。
僕はぐりぐりと押し付ける。
本当に嫌なら…抵抗くらいしなよ。