第62章 【花巻 貴大】男と女
「ってか、部活行かなくてもいいのかよ?」
月曜日はバレー部は休暇日。
けど、女子バスケ部は休みではない。
「昨日練習試合だったから、今日はお休みなのだよ」
どこかで聞いたことあるしゃべり口調で返してくる。
「今日のラッキーアイテムは?」
「・・・これなのだよ」
そう言って持っている少年誌を掲げる。
「お前、適当だろ」
「あっ、バレた?私占いとか信じないから見ないしっ」
たははと笑ってまた集中し始める。
別に先に帰ればいいのに、なぜ俺はこいつが読み終わるのを待っているのか。
感想を話し合いたい。そういう事だろうか。分からないけど、特に今日は予定もなかったし、その場に留まった。
「はぁー、面白かった!!」
少年誌を俺に手渡し、ありがとねと笑う。
「お前さ、いくらジャージ着てるからって女子としてどーなわけ?」
俺は呆れてそう言った。本当女子っぽさがないやつだな。そんな風に思っていた。
「本当、女の子って面倒くさいよね」
あぁーあ。と伸びをした後で、大きく息を吐いていた。
「生理とかさー、本当にしんどいんだよね~」
「おい。そう言う話堂々と男の前ですんなって」
俺の話を聞いているのかいないのか。
携帯をチェックしながら笑っていた。
「ねぇねぇ、今日暇?一緒に帰ろうよ!」
「別にいいけど?」
俺たちは一緒に教室を出た。