第61章 【烏野3年トリオ】卒業
「国歌斉唱」
~♪
東峰、菅原、澤村。
3人とは、たくさんの時を過ごしたね。
1年の時、先輩達にしごかれ、嘔吐しながらも這いつくばっていたよね。理不尽な先輩にも必死に耐えた。
憧れていたバレー部と、現実のバレー部のギャップに何度も何度も唇を噛み締めたよね。初めはもっといた部員たちがどんどん減っていった。それでも、俺らの代で絶対に全国に行くって、体育館裏で話したよね。
2年になって、初めての後輩が出来たね。
ヤンチャな子が多かったけど、先輩と後輩の間に入って部のバランスを保たせる努力をしたね。
烏養監督が戻って来た頃、後輩達が逃げ出しちゃって、先輩としての不甲斐なさに悔し泣きしたことは忘れないよ。
そして、レギュラー争いを経験することになったのがこの時期だよね。いろんな葛藤の中、みんなどんどん強くなっていった。みんなの自主練に付き合ってボール出ししてたら、私まで筋肉ついちゃったよ。4人で肉まん食べながら練習の反省会して、気づいたら何時間も経ってたよね。
3年になって、またすごい1年が入ってきたよね。本当に笑っちゃった。でも、今まで3人が作り上げてきた部の雰囲気がやっと完成して、私はどの代よりも、3人の代が一番いいチームだったって思うよ。
これからの将来のことも話したよね。誰もが少なからず不安を抱えていたけど、誰も口にしなかった。まだみんなでバレーがしたい。私もそう心から思ったよ。
引退の日、また4人で体育館裏に行ったね。3年間お疲れ様でしたって言ったら、みんなが号泣するから、私も泣いちゃったよ。まだここでバレー出来る後輩達に嫉妬したね。どうして高校が3年間なのかって、どうしようもないことに不満をぶつけたよね。
泣きすぎて腫れた目を冷やすためにガリガリくんを買ったね。結局食べることなく全部溶けちゃったガリガリくん。今でも冷凍庫に入ってる。まだ食べれそうにないや。