第61章 【烏野3年トリオ】卒業
今日、私は烏野高校を卒業します。
高校1年の春。
私は男子バレー部のマネージャーとして入部した。
3年間はあっと言う間で、入部したのがついこの間のような錯覚に陥る。
「開式のことば」
私はふと、バレー部のみんなのことを想う。
日向…。
初めて会ったときから、あなたには驚かされっぱなしだった。入学早々問題起こして、入部拒否された日。いきなり訳の分からない速攻を決めた日。どんどん成長する日向に私も刺激されたよ。まだ日向の成長を近くで見ていたいけど…それがすごく残念。
影山…。
天才セッターが来るって言うから、色々構えていた。
なのに、拍子抜けだった。もちろん技術はずば抜けていたけど、中身はただのバレーが大好きな男の子だった。
バレー以外の事は本当に不器用で、本当にほっておけない。
何でも自分を責めてしまう所、まだ心配です。
月島…。
冷静で、冷めた子って思われがちだけど、本当は結構熱い所があるよね。でも無理に出す必要はないよ。内に秘めた…って所が月島の魅力なんだから。
あまり、日向と影山をからかわないでよ?
でも、もうあのケンカが見れないと思うとすごく寂しいな。
山口…。
ジャンプフローター。初めて試合で決めたあの日、涙が出たよ。ずっとずっと頑張っていたの見ていたから。1年で自分だけ劣ってるなんて思わないで。もう山口にも戦える武器が出来たんだから。自信をもってね。
西谷…。
西谷のプレイ。何度もチームを助けてくれたよね。小さい身体なのに、誰よりも大きなハートを持っていたよね。でもすぐ熱くなり過ぎちゃう所は心配です。次は3年なんだから、ちゃんとするんだよ?
田中…。
いつも元気にチームのテンションをあげてくれた。先輩を尊敬し、後輩の面倒も見る。田中が一番人間味のある子だったね。田中ほど情け深い人はいないと思う。でも、すぐ挑発に乗ったりしない事ね?頼りにしてるからね。