第61章 【烏野3年トリオ】卒業
「卒業証書授与」
「東峰旭」
「はいっ!」
東峰…。
先輩マネージャーが引退して、一人でてんやわんやだった時、東峰がいつも手伝ってくれたよね。申し訳なくて断る私に、俺は大地達と違って主将とかやってないから、仕事くれると形見狭くなくてありがたいんだけどな。って笑ったよね。知ってるよ、私がお願いしやすいようにわざとそう言ってくれたこと。
普段とコート上での違いにいつも驚かされてたよ。
エースと呼ばれるようになってからは、誰よりもプレッシャーと戦ってきたよね。伊達工業戦、あの日の挫折があったから、今の東峰があるんだよね。
へなちょこだけど…私の中では本当にかっこいいエースだった。東峰のスパイク音。あれを聞くだけで、私の心臓はドクンって言うんだ。
そして、引退してから毎日神社に行っていたよね。何をお願いしてるかと思ったら、進学組の私達の合格祈願って。もう…、バカ。もっとワイルドになれますようにってお願いしなよ。自分の事のように一生懸命手を合わせる東峰を見て、辛い受験勉強も頑張れたし、無事合格出来たよ。