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【★ハイキュー!!★】短編集

第7章 【武田 一鉄】悪戯な彼女


「せん…せ?…ねぇ、先生?」

あれからどれくらい経ったのだろう。
眠っていた彼女を待っていたはずなのに、
どうやら僕の方が寝てしまったようだ。

「ごっ、ごめん!」

焦って起き上がる僕を見て、くすくす笑う彼女。

「なんか、新婚さんみたい?」

久しぶりに見た、僕をからかう彼女の悪戯な笑顔。
すごく愛おしくて抱きしめたくなる。

「せんせ?どうかした?」

僕の顔を覗き込み、心配そうに見つめる彼女をぎゅっと抱き寄せた。

「えっ…!?せんせ…い?」

「…やっぱり佐藤さんの気持ちには答えられません。
これからの君は色んな可能性があるんです。
大学に進み、好きなことを学び、たくさんの人に出会って
たくさんの恋もするんだと思います。
だから、まだ若い君の人生を僕は縛ることは出来ないんです」

彼女を愛おしく思う気持ちと教師としての思い。
俺はこの葛藤に押しつぶされそうだった。

「せんせ?…ごめんね、困らせて。もうやめるから」

さようなら。彼女は僕の腕の中から消えて行った。
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